・耳鳴がうるさくて眠れない
・耳鳴のせいで円滑な日常生活が送れない
・常に耳鳴りが鳴っているので、重大な病気かと不安
というような悩みを抱えて受診される方が近年増えてきています。
「キーンというような高い音」「セミが耳元で鳴いているような音」「換気扇が近くで回っているような音」などの表現が使われることが多く使われます。
耳鳴については未解明な部分も多々ありますが、少しずつ原因がわかり、それに応じた対策を行うことで良い方向に向かうことが増えてきました。
当院の耳鳴への取り組み
耳鳴を軽減・緩和させていくには患者様自身にも正しい理解と対処法を身に着けていただく必要があります
・聴力検査
耳鳴で悩んでいる方の中には難聴が潜んでいる場合があります。
生活に困るほどの難聴ではなくても高い音・低い音だけが聞こえない場合にも耳鳴は起こることがあります。
・耳鳴への正しい理解
耳鳴は理解の仕方によって、軽減したり悪化したりします。
言語聴覚士がカウンセリングを通じて正しく理解してもらい、耳鳴治療へとつなげていきます
・音を用いた治療法の提案
難聴がある場合、補聴器が効果を発揮する場合が多くあります。
またTRT療法という治療法を行うことがあります。
聴力検査
まずは聴力検査や耳鳴に関わる検査を行います。
患者様の訴えや検査結果を通して、医師と言語聴覚士が連携を取りながら、今後の治療方針を検討します。
カウンセリング
医師の診断・指示の基、言語聴覚士が耳鳴りについてのカウンセリングを行います。
耳鳴りの重症度を測ったり、耳鳴りのメカニズムをお伝えしたり、少しでも緩和していけるようカウンセリングを行います。
またカウンセリングの後は補聴器での治療やTRT療法を行うことが多く、そちらの提案、相談も行います。
補聴器を使った治療・TRT療法・音響療法
耳鳴りに対して効果的な手段の一つが補聴器です。
難聴を抱える方の約半数が耳鳴を訴えます。逆に耳鳴を訴える方に対して聴力検査を行うと約90%の方に聞こえづらさがあります。
例えば中耳炎や突発性難聴、メニエール病は聴力低下がみられ、耳鳴が起こり得ます。
その場合は補聴器ではなく、その病気に対しての治療が必要で、聴力が回復すれば耳鳴も緩和されることがあります。
そうではなく、加齢での難聴や騒音性難聴など、原因療法が難しい場合は補聴器やTRT療法が効果的です。
補聴器はその方の聴力に応じた調整が必要です。カウンセリングと調整を繰り返しながら耳鳴の緩和を目指します。
まずは何が原因で耳鳴が起こっているのか、耳鼻咽喉科にて診察を受けるのが重要です。
耳鳴の苦痛度は人によって様々で、うつ傾向と言えるほど悩み、病院を転々とする方もいれば、平気な方もいらっしゃいます。
その上でストレスの軽減や適度な運動、十分な睡眠を取り、耳鳴に対して正しい理解と対処法を身に着け、補聴器や音響療法、聴覚リハビリテーションで緩和させていくことが、生活の質の向上につながります。また抑うつ傾向が強い場合は、心療内科と並行して治療することも検討してもよいかと思われます。