認定補聴器技能者とは?

補聴器の調整は、耳鼻咽喉科医師の診察を経て、患者様のニーズと聴力に合わせることができる適切な補聴器の選定、また一度調整して終わりではなく、補聴器に慣れるまで、繰り返しフォローさせていただき、最終的にご本人とご家族が納得された上で、購入する運びとなります。

購入した後も定期メンテナンスや故障時の対応も、もちろんのことです。

ところが、この一連の補聴器購入の流れは、無資格でも行えることになっています。

国民生活センターに寄せられる補聴器に関する苦情は、年々増加しており、知識、技術、サービスが十分でない販売が問題視されています。

そこで国家資格以外で、補聴器と耳の専門知識を持った資格を作り、補聴器への一定以上の技術と知識を証明する資格が認定補聴器技能者なのです。

聴覚の専門家としては大きく分けて3つの専門家がいます

耳鼻咽喉科医師

医学の知識はもちろんのこと、補聴器に関するものでは「補聴器適合判定医」「補聴器相談医」「身体障害者福祉法指定医」などがあります。たまき耳鼻咽喉科の今井Drはすべての資格を持っており、当院だけで障害認定や補聴器が必要かどうかの判定・診断が行えるようになっております。

言語聴覚士

ST(speech therapist:ST)とも呼ばれ、その名前の通り、話すことや聴くこと、また食べる事(嚥下)についてアプローチする専門家です。

国家資格であり、当院では聴覚分野での経験のある言語聴覚士が在籍しています。

聴覚分野では、難聴や耳鳴りなど聴覚に悩みを抱える方の、聴力に関する評価や聴覚リハビリテーションの支援、補聴器のフィッティング(調整)、耳型の採取等を行います。

認定補聴器技能者

補聴器の販売や調整に関して基準以上の知識を持っており、実践する事ができるものに対して付与される資格です。

認定補聴器技能者は公益財団法人テクノエイド協会が開催する講習の修了、日本耳鼻咽喉科学会の補聴器相談医との連携、認定補聴器技能者認定試験の合格の条件を満たすことで、テクノエイド協会より認定を受ける事ができます。国家資格ではありませんが、この資格を持っている=補聴器について一定の知識を持ち、調整や販売を適切に行える者といえます。

このように補聴器の必要性の有無、調整、販売、修理などは、様々な職種が連携を取り合い、適切に患者様に提供される必要があります。

しかし実際は、無資格の者が単独でも販売する事ができ、十分な説明や調整がないまま、高額な補聴器を勧められ、購入後のフォローもなにもない・・・という苦情が、補聴器業界では減少していく様子がありません。

視力検査をしないまま通販で眼鏡を売っていても買う方は少ないと思いますが、補聴器に関しては通販で集音器を買われる方が多く、そこで諦めてしまわれる方も多いです。

また視力と違い、聴力はある程度の訓練が必要となる場合がほとんどです。医師の診断や言語聴覚士の支援、認定補聴器技能者の補聴器の豊富な知識があって適切な治療が提供できると思います。

たまき耳鼻咽喉科ではそれぞれの職種が在籍しており、連携をとっておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

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